【取材記事vol.11】「 繋ぐ」「示す」「こなす」「背負う」「支える」

【取材記事vol.11】「 繋ぐ」「示す」「こなす」「背負う」「支える」

常に先頭で走りながら、とことん背中を見せる

今回の取材では、若くして組織を率いる経験を積み重ねてきた水畑さんに、高いプレッシャーなどを背負いながら、自らの背中を見せ続け、走り抜け、駆け上がっていくマネジメントについてお話を伺いました。

最年少でマネジメント。とにかく自分で「示す」ことから

水畑さんは、最初のキャリアで20歳にして店長に大抜擢。かなり若手であり、部下は年上ばかりの環境からのマネジメントキャリアとチーム育成のスタートです。

「まず、20歳の若造の言うことを誰が聞くのかっていう話で。難しいです。自分が結果を出すことから始め、周囲に示していくと、部下も『この人の言うことなら、若いけれどちょっとは聞こうかな』って見てもらえる。ここがまずは重要なステップでした」店長に昇格されたのも、ご自身の成果が突出していたからこそ。若くして圧倒的な成果を出してきた人を煙たがることも多いでしょう。そんな中、自らは店長としてチームを任され、成果を約束する立場になりました。多くの組織では、ハイパフォーマーと呼ばれる方が、チームを率いることになり、マネジメントに苦戦することも多くあります。水畑さんの「自分でやってみせる」と言うのは、背中を見せることとも言えます。常に最前線で自ら成果を出して、チームを引き上げていくような進め方ですね。これは容易な方法ではありませんが、水畑さんは「示す」ことを続け、最下位の店舗を3ヶ月でトップ10に回復させて行きます。

私たちは、トップをひた走る人の姿を、間近で見る機会が意外とありません。むしろ、成果を出す人の手の内を、惜しげもなく見せ続ける水畑さんの「示す」は、覚悟と共に成り立っているのかもしれません。

「示す」ことで、様々な人にご自身の働き方を見せ、メンバーに取り入れてもらいながら、業績回復に貢献してきた水畑さん。25歳で統括マネージャーに抜擢されたことで、自信過剰になってしまった時期もあったと語ります。しかし、自身がやって見せる側ではなく、管理する側になったことで、様々な違和感も感じはじめたそうです。

「こなす」ことは違和感の始まり

「管理は自分には向いていなくて。チームであっても、現場に出て活躍する方が成果が出せると感じていることに気がつきました」職位が上がるにつれて、管理者としての責任や業務の比重が増えていった水畑さん。業績達成に導き、日本一に輝いたこともあるほどの活躍でしたが、そつなくこなすことはできても、成長意識が薄れているのではないか。と、ご自身の中で様々な違和感に悩まされたそうです。

チームを構築することも、自身の価値観に基づいているため、自分自身が成長できる実感が、成果とつながっていたのかもしれません。結果として、バイタリティあふれる水畑さんは、100社以上の企業を調査し、最終的な転職先を決められたそうです。

「背負う」ことで、部下に厳しい指導をしすぎた結果...

新しい転職先でも、順調に成果を上げ続けた水畑さん。責任者としてのポジションと、同社の上場準備が重なり、大きな責任がのしかかりました。「どうしても、上場させたい気持ちが強すぎて、とても厳しい人物になっていました。勝手にコミットしてしまって…」会社を上場させることに、並々ならぬ想いで取り組む中で、いつしかチームにも絶対完璧を強いる存在へと変わってしまったと振り返ります。「なぜこれができないのか?」という疑問が頭をよぎり、自分の努力と自信から、メンバーに厳しい姿勢を持つようになりました。「宣言し、本気で取り組めば、実現できるはずなのに、中途半端なパフォーマンスのメンバーが目についてしまう。自分より在籍期間が長いのに、理念やビジョンに共感しない人にも気づくと厳しく当たっていました」そして、事態はさらに悪化します。自分が強く思えば思うほどに、空回りしていく状況が続き、これまでの、メンバーへの対応の積み重ねから、大きなハレーションが起きてしまったのです。その場で、幹部メンバーから「もう、あなたにはついていけない」と告げられ、大きなショックを受けました。

いったい自分の価値はなんなのだろうか…と自問自答。仲間にネガティブな影響を与えたことに自己責任を感じ、その結果、数ヶ月休職を取ることになりました。

ついてくるメンバーのために、夢を「支える」こと

数ヶ月の休職を経て、責任者ではなく、一般メンバーとして復帰を果たした水畑さん。ご自身が得意な、成果を現場で出すスタイルでリスタートし、ブランクがあったにも関わらず、全社で3位の成果をあげるという快挙を成し遂げられます。一方、ご自身の組織に対する視点も変わったと言います。「休職中、みんながとても成長している姿があって。自分も、もっと高い視座でいなければならないと改めて思い直しました。視座が低いことによって、完璧主義になってしまった。もっと広い目線で見渡して、共に働くメンバーについて捉え直しました」

水畑さんは、社員一人一人の夢や価値観を否定するのではなく、応援する立場を意識しようと決めたそうです。その上で、自分流の、現場で体現する手法が進めば、またみんなが自分についてきてくれるのではないか…と、現在も日々、奮闘されています。「成長を遂げる組織を築くには、各メンバーの夢の実現に貢献することだと思います。そのために、一人一人と話して、本気で戦おう。どうせやるなら、中途半端はやめよう。一緒にてっぺんを目指そう、それで報酬もスキルも全部成長させようと伝えています」

もちろん、夢を模索している人も多いのが現代ですが、そんな時代だからこそ、夢を持って攻めていける人生を支えたいと話される水畑さん。ご自身が常に先を走りながら、背中を追ってもらうことで組織を作り、成長に導くというスタイルを貫かれる姿が印象的でした。互いに切磋琢磨しながら、共に目的に向かっていく組織づくりを推進される中で、水畑さんと関わったメンバーが夢を持てたり、意識し、更なる組織成長が育まれますように。

【取材協力】
株式会社アイドマ・ホールディングス 事業責任者
株式会社Sales Crowd 上級執行役員
水畑裕貴様
https://www.aidma-hd.jp/
https://sales-crowd.com/

《この記事に関するお問い合わせ》
ラボラティック株式会社 広報担当

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