ラボラティック株式会社は、9歳と数ヶ月。様々な支援をいただくことで、大きな荒波をなんとかかんとか乗り越え、まだまだ、遠いけれど見えている光、先の未来を見据えています。
実は、この記事を数ヶ月ほど寝かせていました。会社と私について、ギリギリの状態で考え続け、結構苦しい決断を会社としてしてきたのも理由の1つです。何を考えていたのかも既に分からないのですが、急にこの記事をリリースしたい気持ちに駆られたので、乱文ではありますが書いてみたいと思います。
だからこそ、その先へ
本当に今の社会に必要なものを、未来を見据えながら提案するのがスタートアップの使命と、私は遅ればせながら考えています。
弊社は人と組織のコミュニケーションと成長を常に対峙しています。 これは、弊社が産声を上げた時から変わらない視点であり、社会に対して何で貢献したいか、という強いアイデンティティを伴う布石だとも思っています。
だからこそ、本当に人と組織の成長を後押しすることと真摯に向き合って、本当に必要なものって何なのだろうか? と問い続けてきました。
その1つの答えは、つながり。コミュニケーションを創出するものです。 もう1つの答えは、人感。人間らしさというか、生っぽい感じです。
人と組織は、ナマモノだ、という強い理解を持っているのに、 私たちは、組織を非同期で動き回る働き方を推進しています。
弊社は、オフィス回帰が叫ばれる今も、非同期を前提にした働き方を模索している企業でもあります。 経営面から、固定費の削減のためにオフィスを持たないという決断をしているのも事実です。 私は少し頑固なところもあって、オフィスに行けば全て解決するとも思っていません。物理的に人がいたら、繋がれる、いい状態になるとは言えないし、健やかでいられるわけでもありません。
本当に欲しいのは、人との手触りではないか?
オフィスで、フリーアドレスを採用している企業も数多くあります。 以前のように、チームで一緒に座るようなオフィス空間ではない企業様も、多く存在していると聞きます。 ハイブリッドで、在宅も交えながら働く前提も定着しつつありますね。 場所が非同期の働き方は、もはやノーマルなのかもしれません。
さて、実際に届きそうで届かない距離感で働く私たちに、必要なものは何なのでしょうか? そして、それはどのように組織に作用するのでしょうか?
試行錯誤を続けながら、私が考えた「届きそうで届かない距離感で働く私たち」に必要なものは、雑談でもなく、チームビルディングでもなく・・・
お客様に私たちが成長や幸せを届けるために、しっかりと、 社内で相手の仕事と自分の仕事を襷で繋いでいくこと。
相手の状況をしっかり聞きながら、仕事をリレーで進めていく。 私も余裕がない時には、雑にお願いをしたり、相手の状況もわからずに、 言葉足りずに仕事を依頼したりします。社長なので、権限が発動して、 みんなNOとは言えないのですが、気づくと、組織がギシギシとした状況になって後悔します。 どんどん前に行きたい私だけれど、勝手に走っても誰も襷を渡してくれないし、渡せない。または、渡しても楽しくない。自分だけ満足。
こういう時に、私たちが忘れているのは、先々にいるお客様のことでした。
今、これをなぜしているか? その答えは単純で、お客様に成長を幸せを届けていくため。
大体、ギスギスしている時は、自分がこうしたいだとか、会社はこうしたいだとか、主語と目的が自分に向かっているものです。 お客様がお留守でやると、何もまとまらない。むしろ、みんな自分がこうしたいからやる、という意識だけが残り、なんだか楽しくないんです。
まさしく、これが作用だと気づきます。どんな形の仕事の仕方であれ、お客様に向けて襷をつなげていこうという意識が離れ、自分中心の過ごし方は、楽しくない。人がその場に多くいるのに、なんか楽しくない。
たとえば、家に帰っても、飲みに行っても、会社や仕事の愚痴ばかり。 少なくとも、私は楽しくないなぁと思ってしまいました。醍醐味がないな、とも。自分のことばかりで、満足はしても楽しさはないのです。
組織や成長を扱う仕事をする私たちが、相手の温度感や状況を考えながら、1つずつしっかり襷を渡していると、その温度感は会社の温度になり、組織から溢れる雰囲気が生まれる。自然とかける言葉も変わるし、楽しい会話も生まれます。
人の手に触れると、温度があります。温かい、安心できる温度です。 襷を渡す時には、何かしらの温度を受け取りますよね。 仕事の襷にも、そういう温度が宿るのだと私は知りました。 そして、お互いの温度が分かると、互いに何かを感じるものです。
そんな手触りや温度、感じられているでしょうか? そこから湧き上がる言葉や感謝、伝えられているでしょうか?
テクノロジーの手前、もしくはその先にあるもの
テクノロジーの手前と先には人がいる。 仕事の襷を簡単に繋いでくれるのが、テクノロジーなのではないかと思っています。
ただ、襷に温度を与えるのは、やはり人。 過剰な何かではなくて、ここはしっかり手をかける。 ここは、テクノロジーにお任せする。
テクノロジーの手前と先に人を置くことの意味は、とても大きいと私は考えていますし、テクノロジーを介するからこそ、その人が相手に渡す温度は、大きな意味をなすのではないか?
ふんわりとしていますが、お客様に届ける温度、その温度を社内で襷で繋げていくこと。この辺りの意識をしっかり揃えておくことが、仕事で本当に必要な心なのではないかと考えています。 そして、それって、一人ではできない、大事な営みなんですよね。 襷をつなげて働けることの醍醐味も、改めて感じる日々です。
(記:ラボラティック株式会社:野口麗奈)