心理的安全性がないので、チームでこれ言えません 〜Vol.1「分かりません」〜

心理的安全性がないので、チームでこれ言えません 〜Vol.1「分かりません」〜

「心理的安全性」について、米国ペンシルベニア大学ウォートン校の組織心理学者、Adam Grant博士のLinkeInポスト

「Things people aren’t afraid to say when they have psychological safety (心理的安全性のある人だけが言えること:弊社訳)」

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こちらを切り口に、日々のチームコミュニケーションでお使いいただけるTipsを、弊社COO野口から、今回より数回にわたってご紹介します。

〜野口についてご紹介した前回記事はこちら ↓↓↓ 〜

是非、コーヒーブレイクのお供としてお楽しみください!

心理的安全性がないので、チームでこれ言えません Vol.1

「分かりません」

ただ一言、「分からない」と言うのは考えていない人。
そのような状況は、仕事のシーンではあまり起きないでしょう。
しかし、以下は日々の中でよくありませんか?
「分からない」と口に出して伝えるより、沈黙の方が楽。
そう、これが心理的安全性がないチームの状態です。
「分からない」と言えないだけではなく、分からないことについて、行動を起こせないことも、すなわち心理的に安全ではないことの現れです。

リーダーが「分からない」と口に出せないのは・・・
私はマネージャーだから、全て分かっていて当然と思われている
プライドが許さない

チームメンバーの場合は・・・
こんなことを言ったら、上司から怒られる(実際に怒られた)
今言わなくても、あとで他の人に聞けばいい

そう、チームのどんな立場にあっても、「分からない」と口に出すのは、案外勇気を伴いますよね。つまり、「心理的安全性がないから言えない」のです。

わかったフリをしていても、チーム全体にとって何一つ良いことはありません。
さらに、分からないままの状態も、もちろん回避したいです。

こと、弊社はフルリモートを実践しています。
つまり、対面でのミーティングなどが終わって立ち話などもできません。ミーティングが終わると、画面が切れてしまいます。ですから、分からないことはその場で解決が必須です。
「分からない」と言い合えないことで、思いもよらぬ事態を引き起こすリスクが高いのです。

そのため、こんなことに気を配ったチーム運営をしています。

【会議の時】
ファリシテーターは、必ず参加者が多い会議前には「質問や疑問があったら、声を出して止めていい」ことを伝えています。また、会議中には、ファシリテーターから「質問や気になったこと、クリアにしたいことはありますか?」と会議途中、終わりに聞いて、質問や疑問を参加者に促進します。(リフレーズしていますが、どれも分からない点を確認するための言葉です)
面白いもので、会議途中では出なかったけれど「やっぱりあの件、ちょっと質問したいです」なんてことはよくあります。

【部分的に分からない時】
部分的に分からないことは、意外と流されがちです。なぜなら、部分的に分かることがあるので、「分かったような」気になるからです。しかし、そんな時だからこそ、分からない点を明確にできれば、更にチームの理解度も上がるのです。
しかし、伝え方が難しいのも、こんな状況でしょう。以下に、聞き方の例をお出しします。

今の部分、XXという理解はできた。ここ、ちょっと分からなかったのでもう一度説明頂けたら嬉しい
申し訳ない、XXについて、私理解できたか確認したい。もう一度聞いても良いですか?

そう、自分の中で、部分を明確にして伝える努力をすることが大事です。

【全体的にわからない時】
全体的な論旨を捉えにくいこともあります。そんな時は、先ほどの「分からないのは私だけかも」という気持ちが頭をもたげる瞬間でもありますよね。「分からない」と伝えるのは勇気がいります。しかし、分からないと言わなくても、確認して相手から引き出して、解決できるます。以下に、聞き方のテクニックをお伝えします。

1)「それってこう言うこと?」と相手に自分なりの言葉と理解で聞き直す。
2)その上で、説明を受けて分からなければ、「実は、私、うまく理解できていないかも。もう一度お願いします」と伝える。

さて、こんな風に、「分からない」と言われる状況になると「あ〜、なんで伝わらないんだ!」と思ってしまうこともあります。私にもあります。

それでも、伝わらなければ意味がありません。「伝わらない!」とフラストレーションを持つ前に、一呼吸。
「そうか、みんな自分の話をきちんと聞こうとしてくれてるんだ」と、捉えてみては?

もし、自分の話していることに興味を持ってもらえなければ、「分からない」なんていうより、沈黙を貫きます。
しかし、ここで、あえて「分からない」と言うメンバーは 「分かりたい」のです。

だからこそ、「分からない」の声や行動に、真摯に対応したいものですね。