学びラボ Vol.1「組織のコミュニケーションとは、つまるところ何か?」編集後記

学びラボ Vol.1「組織のコミュニケーションとは、つまるところ何か?」編集後記

2月16日(水)に始動した学びラボ。

初回のテーマは「組織のコミュニケーションとは、つまるところ何か?」でした。

ウェビナー中最初のセッションでは、「コミュニケーションの定義」について、参加者の皆さんから、ご自身の定義などをチャットに投稿頂きながら進行しました。

今回の編集後記では、皆さんからのインプットをもとに、アウトプットを作ってみるーというのを試みたくて、簡単なものですが、まずは挑戦。ラボ=実験っぽいかな・・というのも、この取り組みの理由です。

「質的コード」という手法(研究では、このプロセスを1st/中継ぎ/2ndと、合計3回の分析と、コードの付与手法も厳密なプロセスがあります。それから比べると、本当に簡易版です。)を活用してみました。

学びラボコンダクター兼、Laboratik  COOである私、野口は、質的研究者でもあり、インタビューなどのデータを紐解き、質的なコードを付与しながら、上位概念の定義や現象のメカニズムを引き出す手法をよく使います。

冷静な目線で情報を読み解きながら、つまりどういうことか・・という、現象やメカニズムを説明したり、プロセスを紐解いていきます。
(と格好よく書いてみたかっただけです。笑)

皆さんの投稿からは、以下のコードが抽出されました。

コード 件数
伝達 3
共有 1
受容 2
思い 2
悩み 1
感情 1
手段 1
理解 2
相手 8
考え 4
自己実現 2
関係性 1

そのコードから、学びラボでのコミュニケーションの定義を作成しました。学びラボの参加者の皆さんと導出したコミュニケーションとは・・・

「相手に、自己の考え・思い・感情を伝達すること。また、その内容の理解や受容。」

元々のコミュニケーションの定義は「コミュニケーションとは、意思を伝達することだけではなく、理解されなければならない(ロビンス, 2009, p226)」とありました。

一方、学びラボの面白い発見は「感情」ならびに「受容」が伴う点です。
意思だけでなく、感情もコミュニケーションの伝達や理解の対象だということが見解として加わりました。
そして、理解だけではなく、その内容を「受容する」までが「コミュニケーション」。理解するだけでなく、受け入れてもらってこそ成立する点が付加されています。
言い換えると、互いに、考え、意味、感情が腹に落ちた状態がコミュニケーションなのかもしれませんね。
皆さん、コミュニケーションへの期待が高いのかも?! 笑

また、皆さんの定義を組み合わせてみてみると、

「コミュニケーションは、相手との関係性において悩みや自己実現をもたらす可能性がある」

とも言えそうです。興味深いことに、コミュニケーションのアウトプットは2つの方向性に分かれていました。悩みや困難に着眼する人もいれば、笑顔や豊かさを表現する人もいたのです。どちらもあり得て、それこそが、コミュニケーションが有する、アウトプットの二面性とも言えそうです。(図1)

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つまり、プラスとマイナス、どちらかに作用するだけで、それは個人の豊かさにも、悩みにもなるのだーと。

いかがでしょうか? 皆さんも、コミュニケーションで笑顔になったり、涙したりーといった経験があるのでは?

たかが日々のコミュニケーション、されど、コミュニケーション・・ですね。

学びラボでは、自分達の私論も、大勢のインプットとして議論になれば、理論や定義を導出できるーというプロセスを小さく小さく、進めていこうと考えています。
それこそが、本や人から聞いた知識、自らの経験、他者との統合で生まれる、何かしらの知恵を生むはず。

次回も、みなさんとの学びラボを楽しみにしています。
(記:学びラボコンダクター/Laboratik COO 野口)