今、知っておきたいピープルアナリティクスの5つの動向とは Vol.1

今、知っておきたいピープルアナリティクスの5つの動向とは Vol.1

皆さん、こんにちは。Slackと組織コミュニケーションの専門家、ラボラティック株式会社でCEOを務めている、野口麗奈です。

弊社では、毎週金曜に30分ほど「社内ラボ」という取り組みをしています。1週間の振り返りなどをする場です。皆でざっくばらんに話す場所。

時々、私の方からアメリカなどの動向をみんなと共有する場でもあります。
先日は、ラボラティックらしく、ピープルアナリティクス(People Analytics)に関する動向について共有し、今後の方向性を検討してみました。

結構メンバーから好評だったので、マガジンにも展開するという試みです。

People Analyticsとは?

People analytics is the collection and application of talent data to improve critical talent and business outcomes. People analytics leaders enable HR leaders to develop data-driven insights to inform talent decisions, improve workforce processes and promote positive employee experience.
"ピープルアナリティクスとは、組織における人材データの集積と応用によって、人材の重要性とビジネス成果を改善させることである。ピープスアナリティクスを活用したリーダーは人事部門に対してデータによる考察を推進し、人材配置などの意思決定や業務プロセス、従業員の組織経験などを可能にする" (野口意訳)

Gartner Glossaryより引用

昨今のトレンド5つとは

今回のデータソースは、crunchhrというUSのHRのピープルアナリティクス系のサービス企業です。原題は、「Latest Trends in People Analytics」です。

このインサイトコラムでは、6つのピープルアナリティクスのトレンドを記載しています。ここでは、その中でも、日本で参考になりそうな5つを取り上げました。

【ピープルアナリティクス領域、5つのトレンド】
1. Greater Than Ever Emphasis on Insights for Diversity
(ダイバーシティーに関するインサイトの提供)

2. Planning for Success after COVID
 (スムーズなアフターコロナの対応の準備)

3. The Need for Storytelling with Data
(データにストーリーを持たせることの必要性)

4. More Attention from Senior Leadership
(組織のトップマネジメント層などからの注目)

5. Productization of People Analytics
(ピープルアナリティクス領域のサービス・製品化)

https://crunchr.com/learn/latest-trends-in-people-analytics/

1. Greater Than Ever Emphasis on Insights for Diversity (多様性/ダイバーシティに関するインサイトの提供)

1つ目は、多様性・D&Iに関するトピックが挙げられています。以下は記事を簡単に要約すると、次の通りです。

米国では、Diversity, equity, inclusion and belonging (DEIB)とした職場での取り組みが、これまで以上に重要性を増している。そして、既に、組織的に「やっている」というだけでは、DEIBに真剣に取り組んでいるとは言えないのが現状だ。今後、従業員や外部機関は、目に見える形のデータを提示することを要求し始めるだろうとのこと。ピープルアナリティクスを利用すると、人材のライフサイクルと差分の確認などから、DEIBの現状を計測可能としています。これらの計測結果を元に、必要な施策への落とし込みを的確にできるだろう、とのこと。

https://crunchr.com/learn/latest-trends-in-people-analytics/
筆者意訳
<<野口コメント>>
人材のライフサイクル(talent lifecycle)とは、人材が組織に採用で応募し、退職するまでを示します。想定では、人材の採用から入社・退職までの期間を個別に計算し、その結果や差分から、DEIBの視点での施策を検討することが必要ということでしょう。
大転職時代を背景にした、米国のアプローチは、採用から退社までの時間などから紐解くということがわかります。

2. Planning for Success after COVID (スムーズなアフターコロナの対応の準備)

2つ目は、コロナ後の対応についてです。コラムでは、人事関連のリーダーは、ピープルアナリティクスの職場での活用が喫緊の対応を要するとし、「多くのデータが活用できるが」そのうちの3つを紹介しています。

1)リモートで働く従業員のパフォーマンスを、コロナ前・パンデミック中などで区切って計測し、インサイトを得ること

2)パルスサーベイなどを利用して、従業員の健康などを診断すること。これらの診断結果から、多くの米国企業では、従業員への支援プログラムを開発したのだそうです。パルスの活用と勤務スタイルは、企業の今後の勤務スタイルを決定する上でも重要との見解を示しています。

3)従業員の離職率やエンゲージメント調査で、マネジメントやチームの関係性の脆弱性などを検知したり、考える必要性も示唆しています。
*マイクロソフト社が実施した15万人の調査結果からも、不確実性の高い昨年度は、殊更マネージャーの重要性が取り沙汰されました。

https://crunchr.com/learn/latest-trends-in-people-analytics/
筆者意訳<<野口コメント>>
こちらは、日本でも以前から積極的に取り入れられているエンゲージメントなどについて言及されたものです。マネジメントにフォーカスした考え方は、興味深く読みました。米国では、離職やエンゲージメントの低下は、チーム運営・マネジメント課題と捉えていると言えそうです。

米国の考え方は、以下です。
チームやマネジメントを強化する

エンゲージメントが高まり、人は定着する

ラボラティック社が提唱する「チームエンゲージメント」も、上記の米国の考え方に基づいています。
メンバーが所属する最小単位はチームなので、そのチームの運営確実にマネジメントが行えば、自然と従業員のエンゲージメントは高まり定着するのです。

いかがでしたでしょうか。1~2のデータのどれもが、実は、組織のコミュニケーションと関連するのは自明ですね。
3〜5の項目は、次の記事で書いていきますので、また、次回、お読みいただけたら嬉しいです。

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ラボラティック株式会社
野口 麗奈

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